ネットショップってなんでこんなに安いの?

ネットショップとリアルショップ

今回は、ネットショップとリアルショップの価格差についてお話ししますね。

これから、着物を買おうと思っている方には参考になると思います。

ネットでいろいろな商品の価格調査をしていると、
なぜ同じような商品でこんなに価格が違うのか?と驚く事があります。

私の会社は業界では大手で仕入れ価格は低価格のはずですし、
粗利も他社よりは少ないです。

会社を辞めて、同業他社に入社した知り合いが遊びに来た時も、
なんでこんなに安いのですか?と驚いたくらいです。

それにも関わらず、倍以上、商品によっては3倍以上の差があります。

不思議でありません。

ネットショップは、家賃が掛からないから、という理由も当てはまらない事が多いです。

というのも、リアルショップと併設していたり、ショールームがあり、現物を見られるネットショップもあります。

また、ネットショップだけの運営でも、ショップのメンテナンスや対応するための人件費などそこそこ掛かります。

それはアパレルや家電も同じで、
うちは家賃が掛かるからネットショップよりも高いですよ、なんて家電のお店が言っていたら潰れてしまいますね。
同じテレビが倍とか3倍で売っていたら、誰も買わないですよね。

着物だけはそれがまかり通っています。

今のところはですが・・・。

なぜこんなに価格差があるのか?

以前の記事で価格のことを書いていますので、興味がある方は、こちらも読んでくださいね。

  1. 価格のつけ方が仕入れ値に粗利率を掛けているだけ。
  2. 相場より高く仕入れても(バイヤーは高く仕入れたとは思っていない場合がほとんどだが)
    粗利率を掛けて価格を付けている。
    バイヤーの勉強不足、能力不足も多い。

  3. 委託商品が多いので問屋やメーカーは、返品リスクがあるため、下代を高くしている。
  4. また、仕入れる方も、売れなければ返せるので、安易に高い価格でも仕入れる。

  5. 着物の流通が複雑で、物によっては、問屋間の貸し借りが発生するので、必然的に価格が上がる。
  6. 根本的に粗利率が高い。
  7. 会社によっては、70%〜80%の粗利率もある。

    分かりやすく例をあげると、

    原価1万円の反物が、問屋を数軒迂回して販売店に入ると、5万円位になります。
    販売店は、規定の粗利率を掛けるので、17万から20万円になります。
    これが展示会になると、さらに問屋も販売店も経費が掛かる為、25〜30万円位になります。

    原価はたった1万円の商品が30倍になることもあり得ます。

  8. お客様が、ネットショップや他店と比較しないため、高くつけても分からない。
  9. 同じ商品がほぼ無いので、たとえ調べても分からない。
  10. 販売する段階で、いろいろな付加価値を話すので、単純に似た商品があっても違うものだと言える。

  11. 値引き前提なので、高い値段をつけておき、人を見ながら、下げて販売をしている店がある。
  12. 例えば、江戸小紋だとプリント物と伊勢型紙なら、価格が30倍以上違うこともある。

    それは、手間と技術だから正当な違いだが、プリント物をあたかも手作業で作ったように説明している事もありえる。
    (ほとんどのお店はきちんと説明していると思いますが・・・。)
    お客様には、本当のことは分からない。
    よく調べるとわかる可能性が高いが・・・。
    知られたら一気に信用を無くす。

なぜこんなに価格が変わってしまったのか?

    着物自体の価格は下がっています。

    技術の進歩が大きいと思います。
    パソコンで図案を作成して、インクジェットで印刷できますから、
    大幅なコストダウンですよね。

    また、売れないから、産地や職人さんは困って、安くても仕事をします。

    一番大変なのは、メーカーや職人さんですね。
    問屋や小売店から安く叩かれているところが多いようですね。
    それで原価が下がっている事もありますね。

  1. 昔は、着物が売れていましたから、販売店も買取がメインでした。
  2. なるべく安く買って、すべて売り切るという事が重要です。

    仕入れは、真剣勝負です。

    しかも、他者との差別化を図るため、
    オリジナル商品を開発したり、
    新たな商品提案をしていました。

  3. メーカー、問屋、販売店がみんなリスクをかけて、
    物作りをし、販売していました。
  4. ですから、原価も下がるわけです。

  5. 売れていたから、粗利率が低かった。
  6. だいたい50%いけば、利益が出ました。今は、それでは倒産してしまいます。
    着物屋の経費率(販管費率)は、55~60%だと思います。

    チェーン店の着物屋は
    ほぼ同じような状況だと思います。

問屋さんとネットショップとの価格差を話すと、「ネットショップと比較されても困る」と言います。
当社のバイヤーに言っても、「ネットショップにはかなわない」と言います。

それで良いのでしょうか?

じゃあ、なぜネットショップだけ安いのか?

ネットショップの運営者に聞いてみたいですね。

おそらくですが、

  1. リアルショップ併設の場合でも、ネットショップだけ安くしている。
  2. 個人店で、家賃、人件費などの経費が低い店は、
    粗利率が低くても利益が出るので、チェーン店よりも価格を下げて売れる。
  3. ネットショップオンリーで、コストを究極まで下げている。
  4. 広告費を下げている。
  5. 呉服は昔から、高粗利、高経費のビジネスで、広告費を大きく掛けて、売っていました。
    ネットは広告よりも価格を下げて数を売り、利益を出す。

  6. 下代を下げるため、買取をしている。
  7. 委託であっても、相場を見ながら仕入れている。
  8. 個人のお店だと、仕入れる数が少ないので、交渉しやすい。
    チェーン店は、数が多いので、逆に交渉がしにくい事もある。

    ネットショップは、経費、仕入価格について相当努力していると思います。

今後について

今、リアルショップで着物を買う人は、
高齢者の女性が多いため、ネットショップと比較する人は少ないです。

しかし、今後はネットを日常に使っている年代が対象になります。(今の40代〜50代)
また、スマホによって、分かりにくいネットが身近になりました。
誰でも簡単にネットショップにアクセスできます。

今後は、着物もネットショップで購入する人が増えるはずです。

物によっては、リアルショップで見て、ネットショップで買う、みたいな事が起きるかもしれません。
実際、家電やアパレルはそのような事があるようです。
本でも、まず本屋で立ち読みして、面白そうならアマゾンで中古を買う、というのも増えているそうですね。

着物のリアルショップは、高粗利、高経費でやっていったら、淘汰されると思いますね。

リアルショップならではの付加価値をつける事、
もしくは、ネットショップに負けない値段で売る事が大事です。

家電は、そうなっていますよね。
修理などのサービスに特化したお店、ネットショップと変わらない最安値のお店がありますね。

着物屋もそうならざるをえないと思います。
付加価値か、価格か、どちらかですね。

両方あれば最強ですが・・・。

着物はもともと付加価値が有る商品です。

ですから、付加価値を付ける方向でいけば良いですね。

  1. 着物ファンが気楽に立ち寄れるコミュニティ
  2. 着物で困ったときの駆け込み寺
  3. 着物で分からない事を相談できるお店
  4. 着付けや和裁を教えてくれる
  5. 着物の歴史や技術について勉強できる
  6. 着物のコーディネートや種類、TPOの勉強ができる
  7. レンタル着物の取り扱いがある
  8. 着物の買取とリサイクル着物の販売
  9. 和の教室がある(古布の手芸、お茶など)
  10. 産地研修ツアー
  11. 着物を着る機会の提供
  12. 観劇のツアー

ただ、どこの着物屋でも売るために企画は、一生懸命考えますが、
販売が伴わないお客様のための企画は、腰が引けていますね。
売上利益至上主義ですからね。

メーカーの不正がいろいろありますが、全て売上至上主義が原因ですよね。

着物屋でそのような会社が出ないことを祈っています。

今、着物が欲しいのだけど、どこで、どのように買ったら良いの?

私の身内が、そのように聞いてきたら、間違いなくネットショップを勧めます。

たいした付加価値もない着物屋から高い着物を買うよりも、
適正な価格で着物を買った方が賢いです。

ただ、ネットショップも値段だけで選ぶと失敗しますので、
ネットショップの買い方の記事を読んでください。

何かあればいつでも質問してくださいね。

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