日本在来種の小石丸ついてお話ししますね。
小石丸とは?
小石丸は、江戸時代後期から明治時代初期まで農家で飼育されていた在来種のお蚕です。
明治以降、日本政府は外貨獲得のため品種改良を積極的に行ったので古来品種の小石丸は非常に少なくなりました。このような時代の流れで、古代から行われていた皇后様による養蚕が貞明皇后により復活し、今も受け継がれています。その時に選ばれた蚕品種が小石丸であり、その時から皇居で飼育されています。
小石丸の繭は、俵型にくびれがあります。重さは品種改良された普通の繭の半分程度、糸の太さは半分、長さは4~5分の1と短いです。製糸は、普通の繭が自動製糸機を高速に回転させて巻き上げますが、小石丸は低速で手繰って糸にしなければなりません。そのため、小石丸の糸は柔らかで復元力があるしなやかな生糸になります。
小石丸は、一般の養蚕家は飼育することが無くなり、皇室のみ飼育する繭になりました。
山形県の養蚕家加藤安治さん
その後、平成10年(1998年)の規制緩和で小石丸は一般の養蚕下でも飼育することを許されました。
その語、山形県鶴岡市の養蚕家加藤安治さんが小石丸を飼育し、現在も息子さんに受け継がれています。
加藤さんは「一般のお蚕さんと違って苦労の多い養蚕です。皇室が伝えていただかなければ、ずっと昔に途絶えていた事と思います。精進してまいりたいと存じます。」と言われていました。
山形県の松岡株式会社
その繭を山形県の松岡株式会社で糸にしています。
松岡株式会社の遠田さんは、「小石丸は、小さく華奢な繭で一般的な繭に比べると十数倍の手間が掛かります。でも繰り上がった糸は細くて強く驚くほどしなやかな何とも言えない魅力のある生糸になります」と言われています。
そんな大変貴重な商品は呉服屋さんでもなかなか見ることもできません。
見るチャンスがあったら、ぜひ積極的に見に来てください。
一度チャンスを逃すと二度と見ることが出来ないかもしれません。
小石丸の着物
小石丸の訪問着が3点あります。
全て白生地で通常は染めますが、稀に小石丸の良さを生かすために白生地のまま着る方もいらっしゃいます。
全て下前に小石丸の織りこみがあります。
生地を触るとしなやかで軽くて着やすそうです。
今現在(2020年11月7日)お店にありますので、ぜひ見に来てくださいね。
それでは、貴女の着物ライフがますます素敵になるように応援しています。
また、お会いしましょうね(^_-)-☆